半導体とは 工場誘致など政府の支援厚く
きょうのことば
▼半導体 電気を通す導体と通さない絶縁体の中間の性質を持ち、電気の流れを制御する物質。データを処理する「ロジック」や記憶用の「メモリー」、温度などの情報をデジタル信号に変換する「アナログ」、電圧を制御する「パワー」などに分けられる。半導体の素子数が1年半から2年で2になるという「ムーアの法則」に基づき、業界では研究開発と投資競争が展開されてきた。
ロジック半導体は付加価値がもっとも高く、パソコンやスマートフォンなどに使われる。世界半導体市場統計(WSTS)が6月に示した23年の市場予測は、1734億ドル(約25兆円)で全体の4割を占める。半導体ウエハー(基板)の需要全体に占める比率は22年時点でパソコン・データセンター向けとスマートフォン向けがそれぞれ3割。車載向けは12%程度だった。
日本の半導体メーカーの世界シェアは1980年代に米国を抜いて一時50%を超えたが、台湾や韓国勢との競争におされ22年には約9%に低下した。先端半導体の回路線幅が5ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下なのに対し、国内で製造できるのはせいぜい40ナノメートルにとどまる。日本政府も台湾積体電路製造(TSMC)の工場を熊本県に誘致するなど、政策支援を厚くしている。
日本経済新聞朝刊「きょうのことば」のバックナンバーを集めたページです。重要ニュースのキーワードを毎日ひとつ選び、解説しています。