中国 去年の貿易総額4%余増で過去最高も輸出減少が不安材料に

中国の去年1年間の輸出と輸入を合わせた貿易総額は、前の年から4%余り増加して過去最高になりました。一方で、輸出額は欧米向けが落ち込んでいることなどから先月まで3か月連続の減少となっていて、中国経済の不安材料となっています。

中国の税関当局が13日に発表した、去年1年間の貿易統計によりますと、輸出と輸入を合わせた貿易総額は、前の年から4.4%増加して6兆3096億ドルと、過去最高になりました。

また、去年1年間のロシアとの間の貿易総額も1900億ドルで、前の年から29.3%と大幅に増加して過去最高になりました。

ウクライナ侵攻後、欧米などがロシアへの経済制裁を強化するなかでもエネルギーの輸入を中心に、両国の間で活発な貿易が続いているためです。

去年の中国から各国への輸出額全体は、7%の増加でした。

これは、新型コロナウイルスの感染対策のため、物流に混乱が広がったものの、前半は欧米向けが堅調で、東南アジアへの輸出も増加したことが主な要因です。

一方、先月の輸出額は、このところ欧米向けが落ち込んでいることなどで、前の年の同じ月と比べて9.9%のマイナスと、3か月連続で減少していて、中国経済にとって不安材料となっています。

また、去年の中国への輸入額は、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策の影響や、不動産市場の低迷によって内需がふるわなかったことから、1.1%の増加にとどまりました。

中国「依然として多くの困難と課題に直面」

中国の貿易の現状について、中国税関総署の呂大良報道官は、13日の記者会見で「中国の貿易は去年、新たな突破口を開き、規模と質、効率が同時に向上した。ことしを展望すると、中国の経済回復の基盤がまだ強固ではなく、外部環境も変動しており、貿易の発展は、依然として多くの困難と課題に直面している」と述べました。