気候変動、かすんだG7サミット 温室ガス削減で大きな前進なし
毎日新聞
2023/5/22 04:30(最終更新 5/22 04:30)
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21日に閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、天然ガスを含む全化石燃料を段階的に廃止することに初めて合意した。だが、気候変動やエネルギー問題の討議の前に首脳宣言が公表されるなど、今回のサミットで地球温暖化問題の優先度が高かったとは言えず、温室効果ガス排出削減で大きな前進はなかった。
G7は2022年、二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力の段階的廃止に合意。今回は全廃期限や、廃止の対象拡大に合意できるかが注目された。
押しとどめられた日本
首脳宣言では、ロシアによるウクライナ侵攻の中でも「50年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」という目標は不変であることを確認。条件付きで段階的廃止の対象を化石燃料全体に拡大することが盛り込まれた。CO2回収・貯留技術(CCS)といった排出削減対策が取られていない火力発電などが対象となる。一方、石炭火力の全廃時期は、日本の強い反対で明記が見送られた。
化石燃料の廃止を目指すにもかかわらず、天然ガスへの投資を支持するような文言も入った。宣言では、ガス部門への公的な支援を受けた投資について、条件付きで「一時的な対応として適切」とした。複数の交渉関係者によると、ロシア産ガス依存からの脱却を進めるドイツの要求を受け盛り込まれたという。
事前の閣僚会合も含む一連の交渉では、議長国・日本の提案が受け入れられず、逆に他国の主張を明記するよう迫られる場面が目立った。
化石燃料の…
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