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太陽光パネルの国産化を後押し

 米バイデン大統領が、クリーンエネルギーと気候変動対策に投資を促す史上最大規模の政策となるインフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)に署名して、今年8月16日で丸1年を迎える(図1)。インフレ抑制法は、米国の気候変動目標の達成、クリーンエネルギー経済の構築、エネルギー安全保障の強化に向けた進歩を加速させる革新的な法律で、この法律成立からわずか12カ月で、すでに米国のクリーン・エネルギー・セクターに大きな影響を与えている

図1 ●今年8月でバイデン大統領がインフレ抑制法に署名して1年を迎える
図1 ●今年8月でバイデン大統領がインフレ抑制法に署名して1年を迎える
(出所:The White House)
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 IRAには、米国内での再生可能エネルギー発電をサポートするため、再エネ設備の製造事業者に対する連邦税額控除という生産インセンティブが含まれている。メーカーが米国内で生産および販売する、太陽光パネルなど各種再エネ設備を構成する部品単位あたりの税額控除で、連邦法人所得税に対して申告する。対象となるのは、ポリシリコン(結晶シリコン)、ウエハー、セル(発電素子)、太陽光パネル(太陽電池モジュール)、インバーター(パワーコンディショナー)を含む太陽光発電設備、陸上と洋上風力、そして、バッテリー(蓄電池) の部品、および米国内で製造された希少金属など重要な鉱物が含まれている。ちなみに、この生産税額控除は、10年間有効である。