英首相、気候変動対応で一部政策の実行ペース緩める方針

英首相、気候変動対応で一部政策の実行ペース緩める方針
 9月19日、スナク英首相(写真)は今週、温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにするためにこれまで政府が打ち出した幾つかの対策について、目標達成時期を遅らせることを表明する。ロンドンで7月代表撮影(2023年 ロイター)
[ロンドン 19日 ロイター] - スナク英首相は今週、温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにするためにこれまで政府が打ち出した幾つかの対策について、目標達成時期を遅らせることを表明する。
スナク氏は、政府が重要な複数の気候変動対策の撤回を計画していると報じられたことを受けて緊急声明を発表。そこで「私は英国が気候変動対応で世界を主導している状況を誇らしく思っている。われわれは2050年までの(排出量)実質ゼロや国際的な合意を果たす決意だ。だがそれをより適切かつ相応な方法で行う」と述べた。
さらに「今週の演説で、われわれが子どもたちのために望ましいと思う国にする上で必要となる大事な長期的決定を明らかにする」と付け加えた。
BBCが関係者の話として伝えたところでは、政府は内燃エンジンの新車販売全面禁止時期を、現在予定している2030年から35年に先送りする方針だ。
スナク氏の狙いは、来年に迫っている総選挙をにらみ、環境関連の規制をやや緩めることで無党派層を取り込むことにあるとみられている。
7月に行われた下院補欠選挙では、議員辞職したジョンソン元首相の選挙区で保守党が予想外に議席を維持することができたが、その主な理由はロンドン市長が推進する「超低排出ゾーン(温室効果ガス排出量の多い車両の市内乗り入れ規制)」拡大決定に反対したことだった。

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トムソン・ロイター

William leads the UK Breaking News team, making sure Reuters is first to report key developments in political, economic and general news. He previously spent nearly a decade in Westminster as UK Political Correspondent and before that covered financial markets during the euro zone debt crisis.