太陽光発電設備の導入トラブル、総務省が実態調査…住民への説明不足や無許可開発も

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 事業用の太陽光発電設備を巡るトラブルの状況や自治体の対応について、総務省が実態調査に乗り出した。脱炭素社会の実現に向けて再生エネルギーの利用が進む中、太陽光発電事業者と地域社会とのトラブルが相次いでいるとされる問題で、政府が実態調査に乗り出すのは初めて。10月までに調査結果をまとめ、エネルギー政策を所管する経済産業省への勧告や通知を行うことにしている。

太陽光発電パネル
太陽光発電パネル

 調査は総務省行政評価局が、本州の太平洋側や九州など、大規模な太陽光発電設備が普及している地域を抽出し、地域住民と事業者の間のトラブルに対応している市町村から聞き取り調査する。発生状況や対応で苦慮している具体的な内容などを把握する考えだ。経産省にも、事業者に対する指導や助言を適切に行っているかどうかなどを調査する方針。実例の収集と分析を通じて、トラブル防止と円滑な設備の導入に生かす狙いがある。

 事業用太陽光発電設備を巡っては、〈1〉事業者から住民に対する説明が行われていない。または不十分〈2〉無許可や許可条件に反した土地開発〈3〉排水設備の整備が不十分で、濁水や土砂流出が発生〈4〉住民側が話し合おうとしても事業者と連絡がつかない――などの問題が相次いでいる。

 政府は再生エネルギー発電割合の倍増を目指しており、2030年度には36~38%とする目標を掲げている。12年に再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定価格買い取り制度が導入されて以降、全国各地で設置が進み、出力10キロ・ワット以上の太陽光発電設備は21年度末に全国で約68万か所となった。

 トラブル対策を巡っては、経産省が今年の通常国会で再エネ特措法を改正し、24年4月以降、住民への周知などの手続きを厳格化する方針を打ち出している。

 ◆ 総務省行政評価局 =各府省が行う政策の現場を調査し、課題や問題点を分析する組織。調査結果に基づいて、各府省に対し、改善事項に関する勧告や通知を実施する。各府省が自らの政策を評価する政策評価制度や、国民からの行政相談も所管する。

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4385267 0 経済 2023/07/26 15:00:00 2023/07/26 14:57:42 2023/07/26 14:57:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/07/20230726-OYT1I50132-T.jpg?type=thumbnail

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