トヨタ「液体水素」燃料の水素エンジン車がレース出場 世界初

「液体水素」を燃料とする水素エンジン車が世界で初めて、静岡県で行われている自動車レースに出場しています。液体水素の燃料を使うと、気体の水素より航続距離がおよそ2倍に伸びるということです。

静岡県の富士スピードウェイでは、28日にかけて24時間の耐久レースが行われていて、トヨタが開発した「液体水素」を燃料とする水素エンジン車が出場しています。

「液体水素」は、気体の水素に比べてエネルギーの密度が高いため航続距離がおよそ2倍に伸びるということで、「液体水素」の水素エンジン車がレースに出場するのは世界で初めてです。

レースでは豊田章男会長もドライバーを務め、大きなエンジン音をあげながらコースを駆け抜けていました。

トヨタは当初、ことし3月に三重県で開かれたレースに「液体水素」の水素エンジン車を出場させる予定でしたが、テスト走行中に水素漏れで車両火災が発生し、欠場しました。

これを受けて、水素の配管を高温部から離したり、配管の結合部にカバーを装着するなどの対策を施し、安全性を高めたとしています。
現地で記者会見した佐藤恒治社長は「モータースポーツの現場は技術や人を鍛えていく究極のステージで、将来のカーボンニュートラルに資する技術を育てていくことは非常に大事だ。いろいろな課題を克服してきょうの実戦に向かってきているので、挑戦の様子を見ていただきたい」と述べました。