「再生可能エネルギー先進地」と呼ばれていた九州で一転、太陽光発電への投資を避ける動きが広がっている。電力需給調整で太陽光発電を一時的に停止する「出力制御」が急増し、発電事業者は収入を見通しづらくなったからだ。4〜6月は太陽光・風力の制御量が前年同期の7.4倍になった。出力制御に伴う問題が深刻になれば、2050年に二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に水を差しかねない。...
捨てられる再エネ10万世帯分 改善へ発電デジタル制御
太陽光発電の導入量が多い九州の5月の大型連休。この時期に毎年おこる恒例行事がある。再生可能エネルギー電力の出力制御だ。2022年度に九州電力管内で予想される出力制御の予想量は「4億3000万キロワット時」。一般家庭約10万世帯が1年間に使用する電力に当たる膨大な量が無駄になる。捨てられる電力をいかに取り込むか。解決策の一つになるのがデジタル技術を用いた遠隔での出力制御の拡大だ。 北海道で約半分
出力抑制、西日本で拡大 中国電17倍・需要シフト急務
電力需給のバランスを保つために太陽光発電所の稼働を一時的に止める「出力抑制」が西日本で急増している。2023年は九州の抑制量が22年の6.5倍に増えたのに加え、中国は17倍、四国は6倍となった。太陽光発電の導入が進んだのに加え、節電が進んで電力需要が落ちこんだ影響が大きい。地域間で電力を融通したり、日中に電力需要をシフトさせたりする必要がある。 中国は太陽光の3.5%抑制 出力抑制は「優先給電ル
再エネ発電の無駄、半分に抑制 送電網増強2050年計画
経済産業省の認可法人で電力需給調整を担う電力広域的運営推進機関(広域機関)は29日、2050年までの送配電網の整備計画をまとめた。約6兆〜7兆円を投資して北海道と本州などを結ぶ地域間連系線など6カ所で容量を増やす。増強しない場合に比べ、太陽光や風力などの発電を止める「出力制御」による電力の無駄を約半分に抑えられるとの見通しを示した。 増える出力制御率、12%に止める 送電網の増強は再生可能エネル