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ウクライナ政府への寄付を呼びかけるサイト「ユナイテッド24」は20日、南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所ダムの決壊から2週間で、ダム上流の貯水池が急速に干上がっていることが衛星画像で確認されたと発表した。琵琶湖の約6割の水量があった貯水池の消失は農地の砂漠化につながると懸念され、ロシアとウクライナの戦闘にも影響するとみられる。
20日の衛星画像では、東京都に匹敵する広さの貯水池がほぼ消失し、ドニプロ川が蛇行しながら流れる様子が確認できる。ソ連時代の1950年代に建設された貯水池は、下流地域の農業用水の水源だった。ウクライナの農業政策・食料相は「(農業用水の)システム復旧に3~7年が必要になる」と述べている。生態系も大きく変わるとみられている。
一方、自然の要害だった貯水池の消失は、ロシアとウクライナ両軍の地上部隊の動向に影響しそうだ。8月には地面が乾燥し、地上部隊の移動が容易になるとの見方がある。ウクライナ軍は露軍が占領するドニプロ川東岸に移動しやすくなる一方、露軍はウクライナ軍が管理する西岸のドニプロペトロウシク州への進出が選択肢に入ってくる。露軍が占拠するザポリージャ原子力発電所周辺も陸地に変わりつつある。