中国、石炭の補助的役割拡大へ エネルギー安全保障巡る取り組みで

中国、石炭の補助的役割拡大へ エネルギー安全保障巡る取り組みで
 3月5日、中国国家発展改革委員会(発改委)は、電力供給における石炭の役割を拡大し、エネルギーシステムの信頼性と安全性を向上させると表明した。写真は中国の国旗。北京で2019年5月撮影(2023年 ロイター/Jason Lee)
[北京 5日 ロイター] - 中国国家発展改革委員会(発改委)は5日、電力供給における石炭の役割を拡大し、エネルギーシステムの信頼性と安全性を向上させると表明した。
中国は近年、二酸化炭素排出削減に向け天然ガスや再生エネルギーの利用を大幅に拡大してきたが、再生エネ生産が不安定なため、政策当局者はベースロード電源(低コストで安定的に供給できる電源)として、信頼性が高く発電が容易な石炭火力に頼るようになっている。
発改委は、5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に提出した報告書で「石炭の基本的な補助的役割を強化し、安全を確保しながら高度な石炭生産を増やすために秩序ある措置を取る」と述べた。
また、世界的な価格高騰を背景にした供給不足への懸念から「石炭を天然ガスに置き換えるプロジェクトの拡大を厳しく管理する」とした。
天然ガスの生産・調達コストをより反映させるため、価格決定メカニズムの改善に重点を置き、石油・ガス部門のさらなる改革に取り組む方針も改めて表明。「天然ガスの都市部エンドユーザー価格を調達コストに合わせて調整する健全なメカニズムを開発しなければならない」とした。

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