気候変動のコスト、対策遅れると最大「3京2600兆円」…生物多様性の損失など換算

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 2010~99年に世界で気候変動にかかる対策費や被害額の総費用は46兆~230兆ドル(6500兆~3 けい 2600兆円)に上るとの推計結果を、東京大の沖大幹教授らのチームがまとめた。気候変動の緩和策に必要な費用や経済被害に加え、生物多様性の損失や健康被害を換算した。持続可能な社会を構築すれば、総費用は少なく抑えることができるという。

熱波の影響で発生した山火事(7月25日、ギリシャ・ロードス島で)=ロイター
熱波の影響で発生した山火事(7月25日、ギリシャ・ロードス島で)=ロイター

 将来の社会経済の傾向や温暖化レベルなどを様々なパターンで組み合わせて推計した。太陽光発電や風力発電などの費用、農業生産性の低下や河川氾濫などによる経済被害を積算。熱中症などの影響で失われる経済的な価値や、種が絶滅することの損失は主要20か国・地域(G20)へのアンケートなどから算出した。

 その結果、温暖化が進んで対策が遅れれば最大230兆ドルのコストがかかると見積もられた。一方、持続可能な社会では、46兆~90兆ドルに上ると試算した。緩和対策に費用をかければ、その費用以上に生物多様性の損失や健康被害を抑えられるという。

 沖教授は「持続可能な社会を実現するとともに、生物多様性や健康への影響も同時に考えていく必要がある」と話した。

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4422725 0 科学・IT 2023/08/06 22:43:00 2023/08/06 23:05:21 2023/08/06 23:05:21 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/08/20230806-OYT1I50123-T.jpg?type=thumbnail

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