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 米OpenAI(オープンAI)のサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)が来日し、2023年6月12日に慶応義塾大学三田キャンパスで開催された学生らとの意見交換会に参加。様々な質問に答えた。世界各国を回り、政治家や企業と議論を重ねているアルトマンCEOは、「日本は重視している国」だと語った。

 意見交換会ではAI(人工知能)の進化に伴う教育のあり方の変化や生成AIが抱えるリスクと今後の方針などについて語った。慶応大学の学生や教職員ら800人が集まった。

「OpenAI CEO Sam Altman氏と塾生との対話」の様子
「OpenAI CEO Sam Altman氏と塾生との対話」の様子
(写真:日経クロステック)
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LLMの進化は終わっていない

 アルトマンCEOは「LLM(大規模言語モデル)はより進化する」とし、今後の開発が期待されるGPT-4の次のモデルについても語った。2023年3月に発表した「GPT-4」では、テキストや画像を取り扱える。「将来的には、映像や音声なども取り扱えるようになるだろう」(アルトマンCEO)と今後のモデルの進化の方向性について述べた。

 参加した学生はリスク対応に関して質問した。「開発速度とリスクのバランスについてどう考えているか」という問いに対し、アルトマンCEOは正しいバランスの確保が重要だと示した上で、「今の状況で安心しないことが大事」だと強調した。開発速度は下がるが、安全性の担保を重視するとした。昨今、各国の政治家や企業などと話し、様々な意見を聞いているのもこのリスクへの対応に向けた一歩だ。