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ロシア産エネルギー資源の上限価格は機能するか 先物市場で上限設けることには大きな懸念も

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ロシアのウスチ・ルーガに設置された天然ガスパイプライン
ロシアのウスチ・ルーガにある「ノルドストリーム2」の起点のパイプライン(写真:Andrey Rudakov/Bloomberg)

ロシアが引き金を引いたエネルギー危機は政治による市場介入を誘発している。EU(欧州連合)やG7などはロシア産石油の海上貿易での取引価格に上限をつける制裁を科した。EUはさらに天然ガスの先物取引にも上限価格を導入する。

昨年のニッケルのように、過熱した商品先物市場に取引所が介入するケースはある。だが国や地域が連携して国際商品市場に価格制約を課した前例はない。史上初の試みが価格形成に与える影響に注目したい。

ロシアの石油収入を抑えられるか

先月5日からG7とEUなどはロシア産石油の海上貿易取引に1バレル当たり60ドルの上限価格を設定している。理屈では上限価格以下なら取引可能だが、米英EUは価格水準にかかわらず禁輸を表明している。加えてこれらの国々はロシア産石油の第三国への海上輸送に関わる船舶や保険などのサービス提供も禁止する。中国やインドへの輸出という対ロシア制裁の抜け穴をふさぐ意図がある。

次ページ発動されるための2つの条件とは
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