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キャサリン皇太子妃やラーニア王妃も!女性エンパワメントで活躍するロイヤルレディたち

結婚前のキャリアを活かして女性を応援するラーニア王妃&マキシマ王妃から、母親たちのメンタルウェルネスを推進するキャサリン皇太子妃まで、それぞれの個性が表れる活動をクローズアップ!

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3月8日は国際女性デー。女性たちが成し遂げてきた功績、女性の勇気を称え合う日として世界中で女性の生き方やジェンダー平等について考えるイベントが開催されている。そこで今回は女性をエンパワーする各国のロイヤルレディたちをピックアップ。それぞれの立場やこれまでのキャリアを活かして女性たちを支援、権利向上に取り組むロイヤルたちの姿をレポートする。

カミラ王妃(英国)

the queen consort visits storm family centre
WPA Pool//Getty Images

世界のロイヤルレディたちの中でも現在、女性の権利の擁護のために特に積極的に活動している1人が英国のカミラ王妃。DVやレイプを含めた女性に対する暴力を撲滅すること、サバイバーの女性たちが感じるスティグマをなくすことを公務の中心に据えてきた。エリザベス女王が亡くなって王妃になって初めての単独公務でもDV被害者たちを支援する病院を訪問先に選んでいる。

2022年11月25日から12月10日にはUNウィメンによる、ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間の「UNiTE女性に対する暴力撤廃キャンペーン」が開催された。王妃はこのキャンペーンを支援するため、バッキンガム宮殿で暴力撲滅に取り組む女性活動家たち約300人を招いたレセプションを開催。ヨルダンのラーニア王妃やデンマークのメアリー皇太子妃らも出席した。

“女性に対する暴力のパンデミックに立ち向かうために団結しました”

the duchess of cornwall attends reception for "shameless festival"
WPA Pool//Getty Images

王妃はスピーチで「個人や団体が一丸となって女性や少女に対する暴力の防止と撲滅を訴えています。なぜでしょうか。それは世界中で16日間に2,000人以上の女性がパートナーや家族に殺されているからです。全世界で女性の3人に1人は生涯のうちに家庭内暴力に耐えることになるからです。これらの統計の裏には人間の苦しみや心の傷を物語るストーリーがあるのです。私たちは今日、女性に対する暴力のパンデミックに立ち向かうために団結しました」と述べている。

ソフィー妃(英国)

the countess of wessex visits lebanon
WPA Pool//Getty Images

カミラ王妃のレセプションにも出席していたソフィー妃。イギリスが進めている「紛争地域での性的暴力撲滅のためのイニシアチブ(PSVI)」をサポートしている。2019年には女性の権利や立場の向上に焦点を当て、英国ロイヤルとして初めてレバノンを訪問。難民キャンプにも足を運んだ。ソフィー妃が大切にしているのは暴力のサバイバーたちに直接話を聞くこと。これまでコソボや南スーダン、シエラレオネなどでもサバイバーや彼女たちを支援する活動家と対面している。

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“紛争解決のための話し合いに女性を参加させることは必要不可欠なこと”

the countess of wessex visits lebanon
WPA Pool//Getty Images

2022年11月に開催されたPSVIの国際会議ではその直前に訪ねたコンゴ共和国で難民の女性たちと対面したことに言及。男性主導で進められることも少なくない、紛争解決のための話し合いに女性たちを参加させる必要性を訴えた。

「和平の交渉に魔法の杖はありません。すべての交渉は困難で緊迫したものであり、あらゆる方向からの多大な忍耐と努力、開かれた心、譲歩の意志、そして何よりも平和を求める心が必要とされます。このプロセスに女性を参加させることは必要不可欠なことであり、平和を持続させる可能性を高めます。それを望んでいない人がいるでしょうか?」

キャサリン皇太子妃(英国)

the duchess of cambridge attends launch of maternal mental health films with best beginnings and heads together
WPA Pool//Getty Images

長年、幼児教育がその人の一生のメンタルヘルスに大きな影響を与えることをアピールしてきたキャサリン皇太子妃。子供たちのメンタルウェルネスだけでなく、親たち-特に出産を経験した母親たちのケアも課題に掲げている。2022年5月には出産前後のメンタルヘルスの問題に苦しむ女性たちや家族を支援する100以上の組織をまとめる「Maternal Mental Health Alliance」のパトロンに就任した。

“何も言わずに苦しんでいる女性たちはもっと多いのです”

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就任のスピーチで「妊娠、出産、そして子どもが生まれてから数カ月、数年はとても大変なものだと私たちはみんな知っています。このような時期に親たちは孤独を感じ、打ちひしがれることがよくあるのです」と述べた。

英国では女性の約20%が周産期精神疾患を患っていることにも触れると「何も言わずに苦しんでいる女性たちはもっと多いのです」「この時期に不安やうつ病を経験しない女性はいません。ですから悩んでいる可能性のあるすべての人が適切なタイミングで適切なサポートを受けることがとても大切です。そうすれば女性たちはジャッジされることを恐れることなくこうした感情を共有し、回復に必要な情報、ケア、サポートにアクセスできるのです」。

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メアリー皇太子妃(デンマーク)

crown princess mary of denmark attends unfpa's state of world population report release
Ole Jensen//Getty Images

デンマークのメアリー皇太子妃が特に重点を置いているのが女性や少女の性と生殖に関する健康と権利の問題。家族計画の推進や母子の死亡率を低下させるために活動している。そのために性や生殖に関する権利意識を広めることにも取り組んでいる。2021年には、デンマーク国内のジェンダー、平等、多様性に関する情報センター「KVINFO」の、国際女性デーのイベントでスピーチを披露した。

「国際女性デーは、これからも女性と少女の権利のために野心的に取り組まなくてはならないことをお互いに思い起こさせるためにあります。女性の権利のための闘いは女性の問題ではなくすべての人間の問題であることをお互いに思い出させる日なのです」。

“少女と女性は危機下で最も弱い立場に置かれることが多い存在です”

コロナ禍で女性の権利が後退したことも指摘。「少女と女性は危機下で最も弱い立場に置かれることが多い存在です。コロナ禍は彼女たちにとって深刻な状況を生み出しました。例えば教育、生殖に関する保険サービスへのアクセスが制限されたこと、児童婚の増加、貧困などがそれにあたります。女性に対する暴力もそうです」。一方で「この1年で文化は少し変化しました。よりオープンで繊細な討論ができるようになりました。私たちは違いを受け入れる文化を見たいと思っているのです」。

ラーニア王妃(ヨルダン)

子どもや若者が教育を受ける権利を守り、その質を向上させることに取り組んできたヨルダンのラーニア王妃。国連の「女子教育イニシアチブ(UNGEI)」のチェアパーソンとして女子教育の拡充も訴えている。

また、大学時代に経営学を学び結婚前には銀行で働いていた経験を活かして、女性たちによるビジネスを支援。国内の起業家やIT系スタートアップの女性経営者たちとたびたび対面している。ビジネスと言ってもいわゆる「企業」に限らない。手工芸品を作り、販売することで生計を立てたいと頑張る女性たちを財政的に支援する草の根的な活動にも携わっている。

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“ひとりの女性を引き上げれば、エンパワメントは伝染するのです”

queen rania makes surprise visit to sweifieh secondary school for girls
Handout//Getty Images

アラブ諸国は女性の権利が制限され、男女格差が大きいことで知られている。ラーニア王妃は2018年、ニューヨークで開始されたジェンダー平等のための会合「HeForShe インパクトサミット」に参加。スピーチでそのことに触れた。「世界経済フォーラムが発表した最近の『ジェンダー・ギャップ指数』で私たちの地域が最下位になったのには理由があります。女性は男性の半分の評価を得るために男性の2倍働かなくてはなりません」

「社会が混乱すると女性は国の議題からすぐに滑り落ちてしまいます」と指摘すると、こう続けた。「エンパワメントとは伝染するものです。私はこれを『逆ドミノ効果』と呼んでいます。ひとりの女性を引き上げれば、その女性がほかの女性を引き上げ、さらにその女性が他の女性を引き上げるのです」。ちなみにヨルダンの2022年のジェンダーギャップ指数は146か国中122位。日本はその6位上の116位である。

マキシマ王妃(オランダ)

queen maxima of the netherlands visits tanzania day 2
Robin Utrecht Photography//Getty Images

オランダのマキシマ王妃もロイヤル入りする前に銀行で働いていたキャリアを活かし、女性たちをエンパワーしている。2009年から「開発のための包摂的金融に関する国連事務総長特別提唱者」を務めている。長いタイトルだけれど、つまりインクルーシブな金融システムを作るためのアドバイザー。

国連は主に途上国の女性が銀行口座を持ち、貯蓄や保険など正規の金融サービスを利用できるよう、包括的な金融システムを作ろうとしている。その中で王妃は銀行口座を持つことで女性たちは自立し、よりよい生活をすることができるとアピールしている。

“すべての女性が幸せと誇りを持てるようになってほしい”

ivanka trump attends w20 conference in berlin
Patrick van Katwijk//Getty Images

ドイツのアンゲラ・メルケル首相(当時)とのやりとりで注目を集めたことも。2017年、マキシマ王妃はベルリンで開催された「Women 20サミット」のパネルディスカッションに出席した。

司会者がパネラーの1人だったメルケル首相に「あなたはフェミニストか」と質問した。首相は「私はその呼び名を恐れていない。でも私は自分のものではない肩書きで自分を飾りたくはない」と回答した。はぐらかすような答えに会場がざわつくと、王妃がさりげなく介入。「私はただすべての女性が選択の自由と機会を持ち、自分自身らしくあり、幸せと誇りを持てるようになってほしいと願っています」とフェミニストを定義した。これを聞いた首相は「もしそれがフェミニストであれば私はフェミニストです」。

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レティシア王妃(スペイン)

queen letizia attends "microfinanzas bbva" foundation 15th anniversary in madrid
Paolo Blocco//Getty Images

王室に入る前はジャーナリストとして活躍していたスペインのレティシア王妃。これまで女性器切除(FGM)、児童婚や女性に対する家庭内暴力を批判してきた。最近ではビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)のマイクロファイナンス財団が主催するイベント「Unstoppable women(止められない女性たち)」のチェアパーソンに就任、ラテンアメリカ系の女性たちの企業活動を支援している。

“女性たちは自身の牽引役であり、ひいては家族や地域社会を変える原動力です”

queen letizia of spain arrives at a meeting with women scientists and entrepreneurs
Borja B. Hojas//Getty Images

このイベントはコロナ禍における女性起業家たちの働きを称え、パンデミックで経済的な影響を受けた女性たちが立ち直るために必要なテクノロジーに焦点を当てるもの。レティシア王妃は「女性たちは自分の人生を自分で変える牽引役であり、ひいては家族や地域社会を変える原動力です」とエールを贈った。「彼女たちのように私たち1人1人が自分のいる場所から弛まぬ努力を続け、変化のための道を歩み続けなくてはなりません」。

アン王女(英国)

queen and anne on women's day
Tim Graham//Getty Images

イギリスのアン王女は2020年、あるインタビューで「私はフェミニストではありません」と発言している。理由は「若い人たちみんなが自分の可能性を最大限に発揮するのを見たいから」。

この「非フェミニスト宣言」にはエリザベス女王を初めとするロイヤルファミリーが政治的に中立の立場を貫いてきたことも影響している。とはいえ王女が女性をエンパワメントしていないわけではない。その一例として王女はイギリスの上院の機械均等委員会と王立工学評議会が提携して創設したプロジェクト「科学技術への女性の進出(WISE)」のパトロンを務めている。

(写真:エリザベス女王と共に国際女性デーを祝うイベントに出席)

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“若い女性にエンジニアになることを現実的な道としてみてもらいたい”

このプロジェクトは簡単に言うと理系女子を増やすのが目的。女性が科学技術の領域に進出することは医療や通信、環境など社会のあらゆる文化にポジティブな影響を与えると考え、医学や理工学を学ぶ女子学生を増やすことを目指している。

王女は「私もロイヤルではなかったらエンジニアになっていたでしょう」と発言、「より多くの若い女性にエンジニアになることを現実的な道としてみてもらいたい。そのための活動ができてとても嬉しい」と語っている。

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