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【北京=吉永亜希子、バンコク=津田知子】中国の春節(旧正月)に合わせた大型連休が21日、始まった。新型コロナウイルスを抑え込む「ゼロコロナ」政策終了後、初めての連休で27日まで続く。7日から2月15日までにのべ約21億人が国内外に「大移動」すると予測される。久々に帰省する人も多く、海外渡航も一部再開したため、中国人に人気の渡航先では経済回復への期待が高まっている。
21日午前、北京首都国際空港の国際線出発ロビーは、家族連れなどの利用客で、にぎわっていた。5年ぶりに米シアトルで暮らす次男家族に会いに行くという北京市在住の梁有徳さん(60)は「もうすぐ孫も生まれる。本当に楽しみだ」と笑顔を見せた。
中国政府は今月8日から、入国時の強制隔離の撤廃や中国人による海外渡航の再開を認めた。旅行予約サイトのまとめでは、アジア各国が行き先の半数以上を占め、香港やマカオ、タイが人気だという。
タイの首都バンコクのホテルや飲食店は、ちょうちんなど中華風の飾り付けを施し、歓迎ムードを盛り上げようとしている。
タイではコロナ禍前の2019年に中国から1100万人超の旅行者を受け入れており、観光や飲食業界の期待感は大きい。バンコクで土産物店を営むタナントン・チャイモンコンさん(34)は、「団体ツアーで大人数が来てくれれば、売り上げも回復する」と期待した。
一方、中国国内では、都市から地方への人の移動が活発化することにより、医療資源が乏しい農村部を中心に新型コロナの感染拡大や重症者の増加が警戒されている。
中国政府は、農村地域に暮らす基礎疾患のある高齢者や妊婦らの健康観察を徹底し、感染した場合でも重症化を防ぐよう、地方政府に繰り返し求めている。