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「束ね法案」で原子力推進を狙う経産省の狡猾 運転期間ルール緩和に、原子力の"憲法"も改正

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入手した経産省が昨年7月に作成した内部資料
経産省が昨年7月に作成した内部資料。原子力資料情報室が情報公開請求手続きにより入手した。一連の法改正が経産省主導であることを物語る(写真:筆者撮影)

今国会で“原子力発電への回帰”を定めた通称、「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」が上程され、4月7日に衆議院で審議が始まった。安全保障や少子化対策などほかの重要政策に隠れて目立たないが、多くの問題をはらんでいる。

同法案は電気事業法(以下、電事法)のほか、原子炉等規制法(以下、炉規法)や原子力基本法など原子力分野を中心とした5つの法律を一括して改正する「束ね法案」の形を取る。その中心を成すのが、原子力発電所の運転期間ルールの見直し(運転期間の延長)だ。

福島原発事故の教訓を踏まえて定められた原発の運転期間について、「原則40年。延長は1回に限り最長20年」とする現行のルールを緩和する。具体的には、原子力規制委員会の安全審査などで停止していた期間を運転期間のカウントから除外することで、60年超への延長に道を開く。運転期間ルールの緩和は、電力業界がこれまで強く求めてきたものだ。

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