宇宙線、惑星の引力、キラー電子…地球の気候変動は、けっこう複雑
玉木祥子
地球の天候は宇宙から何らかの影響を受けているのではないか――。この問いを解明しようとする研究が進んでいる。地球の気候変動を考えるうえで、新たなヒントになるかもしれないという。
武蔵野美術大の宮原ひろ子教授(宇宙気候学)は、宇宙から地球に届く高エネルギーの「宇宙線」を調べている。
地球に届いた宇宙線は大気と反応すると「炭素14」といった放射性同位体をつくる。樹木がこれを取り込み、保存する。年輪ごとに記録されるため、宇宙線の歴史をたどることができる。
世界各地が寒冷だったという記録が残っている時期について、樹齢約2千年の屋久杉などに含まれている炭素14を分析したところ、宇宙線の量が増えていたという。
太陽の強力な磁場は、宇宙線…