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831 第25回 オンライン多田図尋常小学校を開校しました。

 6月4日に第25回オンライン多田図尋常小学校を開校しました。タダーズ最高技術顧問でプロの音響エンジニアのT.eng氏、無農薬野菜生産者の坂梨勝一さん今回のゲストである「Clownまこっちゃん」こと石毛誠さん、さらに石毛さんの主宰されている「クラウン的な稽古会」の方や知人友人の方々の8人も加わって、なんと開校以来最多の合計11人の方にご参加いただきました。その様子を振り返ってみます。



●1限目
 
「東
急Q&A 2023
        T.eng氏(音響エンジニア)
 いつもの元小学校教師、井上清三さんがご都合で休講となり、代わって鉄道に深い造詣をお持ちのT.eng氏に、校長(中城)が子ども時代から馴染みの深い東急について四択クイズ形式でお話をしていただきました。東急の事実上の創業者五島慶太、強引に電鉄会社を買収して大線路網を作り上げた戦前の話、最近の相互乗り入れの状況、校長が小学生時代に乗っていた懐かしい車両(緑虫、ステンレス車両)の現在など、興味深い質問が次々と出題され、面白かったです。
クイズ形式もなかなかいいものです。
●2限目 音楽
 「Coffee Break Music In Tadaz」
 本日のバリスタの気まぐれブレンド
「カラヤンのライバルたち
〜レナード・バーンスタインとカール・ベーム
       T.eng氏(音響エンジニア)
 続いて2限もT.eng氏の「本日の気まぐれブレンド」。今回は世界的に著名な「楽壇の帝王」カラヤンとライバル視されているアメリカで最初の国際的な指揮者であるレナード・バーンスタイン、同時期、ヨーロッパで肩を並べて活躍していたカール・ベームの二人を取り上げました。
 1918年にマサチューセッツで生まれたバーンスタインは子供の時から蓄音機を聴くのが大好きで、父の反対を押してカーティス音楽院に入学、指揮、作曲、ピアノを習います。1934年にニューヨークフィルハーモニー交響楽団で病気のブルーノワルターの代役を務め大評判を呼びました。1958年には音楽監督に就任し、気さくでおおらかな人柄、情熱的な指揮で聴衆を惹きつけるスーパースターでした。1969年からはフリーの指揮者として多くの楽団を渡り歩き、作曲にも注力。さらには広島平和コンサートなど社会的なメッセージを発信し続け、1990年に72歳で亡くなります。演奏は軽やかで聴きやすく、なおかつとても深いものでした。ジャズとクラシックとの融合はアメリカ人のバーンスタインにしかできなかったことです。

 

一方、1894年にオーストリアのクラーツで生まれたベームは法学博士の学位を取った後、個人的に音楽を学んで指揮者デビューします。その後、バイエルン国立歌劇場音楽監督のブルーノ・ワルターに紹介され第4指揮者に招かれ、1934年にはドレスデン国立歌劇場総監督に就任して活躍していきます。戦後、演奏を禁止されましたが解除されウィーン国立歌劇場の再開記念公演で指揮をしました。1981年に死亡したときに、カラヤンは追悼としてコンサートで葬送音楽を演奏しました。ベームの指揮は映えるタイプではなく、練習でもガミガミうるさく指示しますが、それが本番で見事に結実し爆発的な演奏となります。

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今回取り上げた二人の演奏や見た目の違いと、それぞれの背景がわかると、演奏の聴こえ方まで違ってくるのが不思議でした。
●3限目社会
 Clown まこっちゃん
   「笑知しました!」
〜ずっこけクラウンの笑いとAIの巻〜
               石毛誠さん
 あるドキュメンタリー映画の上映会でご一緒した「クラウンまこっちゃんさん」石毛誠さんにゲスト講師をお願いしたところ快諾していただきました。
 授業はまず「クラウンとピエロ」の語源から、その歴史的な流れ、ついでAI(人工的な知能)の機能や、Chat GPTの概要について説明がありました。さらに「笑い」の定義から、その学問的な意味、そして「笑い」を英語と日本語で言語的に分析して見せてくれました。最後に、笑いを作るために必要な「人を笑わせたい」という思いが、AIには欠如しているので笑いは作れないという結論に達しました。次から次へとジェットコースターに乗せられたような、スピード感溢れる中身の濃い授業でした。
放課後
「クラウンまこっちゃんさん」の授業の後に、参加された方々に「クラウン的な稽古会」について伺ってみると「苦手なコミュニーションが楽になった」という方から「多様な視点を得ることで人生が変わった」という方までおられました。続いて参加者の方から「多田図尋常小学校」についてのご質問があり、そこから無料喫茶店「タダーズコーヒー」始まりの経過や、無農薬野菜生産者の坂梨さんとの関わり、当店最高技術顧問のT.eng氏の手回し蓄音機の話にまで発展し、実際にSPレコードを聴くことになりました。残念ながら、今回はズームの限界かうまく聴くことができませんでしたが、次のお楽しみとなりそうです。
●今日1日を振り返ると、1限目から3限目まで、きっちり秒単位でエキサイトな授業が進み、放課後で適当に緩んで、結果として楽しく充実した時間だったように思います。ありがとうございました。