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国が川辺川に計画する流水型ダムを巡り、五木村と国、県が策定した新たな村の振興計画に関する村民説明会が4日、同村で開かれ、蒲島知事は「村の振興に不退転の覚悟で取り組む」と理解を求めた。振興案から計画になる段階でダムの項目は削除されたが、村民からは「ダム前提の計画ではないか」と疑問視する声も浮上。さらなる支援の要望など様々な声が出た。(内村大作、山之内大空)
村と国、県による五木東小での説明会には村民90人が出席。2008年に当時のダム計画の白紙撤回を表明し、20年7月の豪雨を受けて推進に転じた蒲島知事は、ダム計画に関する方針転換をわびた上で、「2度の相反する表明を行った私には、振興を進める責任がある。県政の最重要課題として、県庁を挙げて取り組む」と強調した。
県の担当者は、「医療・福祉・教育の推進」や「持続可能な産業と雇用の創出」など四つの柱を設けた計画や、今年度の事業を説明。県は計画を推進するため、村への派遣職員を2人増の8人とすることや、19日から村役場に「振興相談室」を設置する方針を示した。
木下丈二村長は「人口減少、少子高齢化が進行する村の振興は待ったなしという共通認識で策定した」と合意に至った経緯を紹介。流水型ダムの賛否は、国が実施している環境影響評価の手続きの進展を待ち、村への影響が明らかになった時点で、村民の意見も聞いて判断する考えを示した。
◆質疑応答 1時間以上に
県の担当者による説明後に行われた質疑応答は、1時間以上に及んだ。
マイクを握った村民らは、造成した平地への企業誘致や鍾乳洞の観光地化、利便性向上を目指すトンネル整備などを要望。計画から記載が消えたダム建設については「ダムで村が栄えることはありえない」「ダムが出来ることになったら、また振興計画を見直すのか」などの意見が上がった。
5人の子どもを子育て中という自営業、橋本貴也さん(32)は「計画が始まらないと分からないところもあるが、子育て支援についてはまだまだと感じた」と話した。「村の未来をつくる子どものためにも、もっと力を入れてほしい」と求めた。
農業の男性(66)は計画からダムに関する記載が削除されたことに対し、「みんな(進め方が)