石狩湾 洋上風力データを活用 国と事業者が共同研究で調印

石狩湾新港沖で進められている国内最大級の洋上風力発電プロジェクトで国は石狩湾で観測した風や波のデータを今後の洋上風力の拡大に向けて活用することになり、4日、事業者との間で共同研究に向けた調印式が行われました。

石狩湾新港の沖合では、大手の再生可能エネルギー企業「グリーンパワーインベストメント」が国内最大級の洋上風力発電プロジェクトを進めていて、先月から14基の風車の建設が本格化しています。
4日札幌市内で行われた調印式では、国の港湾空港技術研究所の河合弘泰所長が、グリーンパワーインベストメントの幸村展人副社長と共同研究の協定書を交わしました。
共同研究では、▽石狩湾で風車を建設するために会社が長年観測している波や風のデータや、▽他の海域で観測しているデータを研究所に提供し、洋上で風車を建設したり運用したりする際に重要な自然環境の条件を明らかにして、今後、全国で洋上風力発電を行う場所を決める際などに活用するということです。
洋上風力発電をめぐっては、国が脱炭素化を実現するための切り札と位置づけ、導入の拡大を目指す一方、洋上での風や波の観測データは不足しているということで、港湾空港技術研究所の河合弘泰所長は、「石狩で得られる貴重なデータをもとに他の海域に役立つ解析を行って洋上風力拡大の後押しをしていきたい」と話していました。