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EIAが出力抑制量を予測

 米国テキサス州と言えば石油産業で有名だ。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)によると、2022年に同州の原油生産量は米国全体の42%に達しており、天然ガス生産でも同27%を占める。実は、同州は原油、天然ガスという化石系だけではなく、環境イメージではその対極にある風力発電でも全米をリードしている。さらに、近年太陽光発電も、その導入拡大に加速がかかっている。

 EIAは、テキサス州の電力市場における風力と太陽光を合わせた発電設備の容量が 2035年までに2022年から2倍に急増し、総発電量に占める再エネ割合も、2022年に比べて2倍以上に増加すると予想している。

 さらに、同局が最近、公表した分析レポートである「テキサス州における再生可能エネルギーの成長における送電網制限のケーススタディ」によると、同州の送電網を強化したり、蓄電池の導入を拡大したりする対策を打たなければ、風力と太陽光発電に対する出力抑制は、2035年までに倍増する可能性があるとしている(図1)。

図1●テキサス州送電網上での風力・太陽光発電の導入容量(GW)(左)と出力抑制率(%)(右)比較
図1●テキサス州送電網上での風力・太陽光発電の導入容量(GW)(左)と出力抑制率(%)(右)比較
(注:2035年は予測、黄色=太陽光発電、緑色=風力発電、出所:EIA)
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