治水も発電も…進むダムの「二刀流」 支える技術にAIも一役

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座小田英史
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現場へ! 水力発電の底力③

 国土交通省が所管する約570のダムは、洪水被害を防ぐ「治水」が主な建設目的で、水力発電を目的に含むダムは半分に満たない。だが近年は、再生可能エネルギーの利用拡大に向け、治水ダムを発電に活用する試みが始まっている。

 「水陸両用バスで行く ダム湖探検 ダックツアー」。栃木県日光市の「道の駅 湯西川」の駐車場に、水陸両用のバスがとまっていた。税込みで大人3500円、小学生以下2千円、幼児(2歳以下)500円で、近くの湯西川ダム湖を巡るツアーに参加できる。水陸両用バスに乗ったまま湖に進入してクルージングもする内容で、夏場を中心とした約10カ月の運行期間に約2万人が利用するという。

 湯西川ダムは2012年に完成。堤高119メートル、総貯水容量7500万立方メートルの大規模ダムだ。鬼怒川利根川の洪水調整や、農業用水や上水道への利水を目的に建設された。

 その湯西川ダムで、国交省は今年度から、元々の建設目的には含まれていなかった発電事業の検討を始めている。

 治水ダムは本来、大雨が降っ…

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