中国 春節の帰省本格化 延べ21億人近くが移動 感染拡大が懸念

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中国では、旧正月の春節に合わせた大型連休を前に、7日から出稼ぎ労働者などの帰省が本格化しています。
春節前後の40日間に延べ21億人近くが移動するとみられ、重症化リスクの高い高齢者が多く住む農村部などでの感染者の増加が懸念されます。

新年を旧暦で祝う中国では今月21日から旧正月の春節に合わせた大型連休が始まります。

これを前に7日から鉄道やバスなどが増便され、南部・広東省の広州駅では、早朝から大きな荷物を抱えた出稼ぎ労働者や家族連れが次々と訪れるなど、帰省が本格化しています。

列車で17時間かけて帰省するという40代の女性は、「新型コロナの影響で3年近く帰省していないので、両親とゆっくり過ごしたい」と話していました。

ことしは、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が事実上、終了したことから、春節前後の40日間に去年の2倍にあたる延べ21億人近くが移動する見通しです。

各地で感染が急拡大するなか、帰省によって重症化リスクの高い高齢者が多く住む農村部などでの感染者の増加が懸念され、地方政府は医療従事者や薬の確保といった対策を強化しています。

内陸部に帰省する30代の女性は、「私のまわりでも感染した高齢者がたくさん亡くなっている。春節で新たな変異ウイルスが流行しないか心配だ」と話していました。