日本が予定する半導体製造装置の輸出規制は、米国の規制以上に中国の半導体業界に打撃を与える──。中国でこうした見方が浮上している。日本の規制は旧世代の半導体を製造する装置も対象になり得るからだ。中国半導体業界は、日本の措置が米国やオランダにも波及することを懸念している。

バイデン米政権は半導体における米国の技術力の維持と安定供給を重要視している(写真=左:イメージマート、右:AP/アフロ)
バイデン米政権は半導体における米国の技術力の維持と安定供給を重要視している(写真=左:イメージマート、右:AP/アフロ)

 中国の半導体業界は、日本が予定している半導体製造装置の輸出規制が非常に広範なため、先端品以外の半導体製造も打撃を被るのではと危惧している。これら旧世代の半導体は、自動車から洗濯機まで、あらゆる製品に使われている。

 日本政府は、2023年7月以降、半導体製造に必要な装置23品目の輸出に制限をかける意向を明らかにした。中国による先端半導体利用を制限する包括的輸出規制において、米国やオランダと足並みをそろえるためだ。

 これに対し、日本が予定する規制の詳細を検討した中国の業界幹部は、日本の規制は米国の規制以上に中国の半導体製造能力を制限する可能性があると話す。

 中国のある半導体工場の経営幹部は、匿名を求めた上で、「日本の輸出規制は中国にとり、22年の米国の制裁より厄介なものになる」と語った。

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