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三井物産、洋上風力に参入 台湾で1700億円を投融資

(更新)
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三井物産は22日、洋上風力事業に参入すると発表した。台湾で大規模洋上風力発電の開発に参画する。出力は原子力発電所1基分に当たる約100万キロワット。総事業費は約9600億円で、同社が1700億円を投融資する。

洋上風力は再生可能エネルギーの本命で、世界各国で大規模開発を競っている。日本でも政府主導で開発計画が動いており、三井物産は台湾でノウハウを蓄積し、日本での事業拡大を狙う。

カナダの大手電力のノースランド・パワーと共同で開発する。台湾中西部の彰化県沖45〜70キロメートルの洋上に着床式の風車を73基建設する。総事業費のうち5400億円は各国の政府系の輸出信用機関などから調達。残りの4200億円のうち三井物産が1700億円を拠出する。

洋上風力は2025年末から26年末にかけて順次稼働する。台湾の一般家庭100万世帯超に相当する年間4500ギガワット時の発電が可能になる。

台湾は年間平均風速が11メートル毎秒で、発電効率が高い。三井物産は大手電力の台湾電力と20年間、現地大手企業と30年間の長期契約をそれぞれ締結し、年平均30億円の安定的な利益を得られるとみている。

大規模開発をするにあたり、中国との対立による台湾有事の地政学リスクがある。三井物産は「(緊急時に)日本政府と連携して対応し、保険にも入る」と語った。日本や欧州など各国の金融機関とのシンジケートローンを組成したことも一定の抑止力になると説明している。

世界の洋上風力は35年に22年比約8倍の509ギガワットまで成長する見込み。日本企業で先行する三菱商事は子会社の再生可能エネルギー大手のオランダ・エネコと連携し、欧州で複数の洋上風力の開発に乗り出している。

日本でも政府主導で大規模開発が動き出し、公募の第1弾では三菱商事の企業連合が計3海域を総取りした。

一方、三井物産は風力発電の持ち分容量は1ギガワット弱あるが全て陸上風力にとどまっていた。出遅れていた洋上風力事業に乗り出し、大規模開発で巻き返しを狙う。

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